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■モノノ怪 鵺 (DVD) (図1)
京のとある屋敷で、開かれた聞香の会。そこにはある秘密が隠されていた。
図1
©モノノ怪製作委員会
図2
©モノノ怪製作委員会
図3
©モノノ怪製作委員会
図4
©モノノ怪製作委員会
図5
©モノノ怪製作委員会

2006年3月に「怪〜ayakashi〜」の中の1エピソードとして放送され、ノイタミナ枠の視聴率記録を塗り替えた(最高視聴率5.0%)TVアニメ『化猫』。鮮やかな色づかいと和紙のテクスチャーによる独特の風合いが印象的な映像は、アニメ業界を超えて大きな話題となりました。 「モノノ怪」では、その『化猫』を作り上げた精鋭スタッフが再結集、新たな怪異譚を紡ぎます(図2)。 主人公は前作『化猫』でも人気を博した“薬売りの男”。彼が立ち向かうモノノ怪たちは「座敷童 子」「海坊主」「のっぺらぼう」「鵺(ぬえ)」、そして……「化猫」。

今年の1月には、DVDとして「鵺(ぬえ)」が発売されました(図3)。

「鵺(ぬえ)」のストーリーの概略は以下のとおり ある夜、京の街のとある屋敷で、笛小路家の姫・瑠璃姫の婿を決するための聞香の会が催されていた。瑠璃姫の婿にならんと名乗りを上げたものは4人。しかし、その中の一人・実尊寺惟勢が現れない。残りの大澤廬房・室町具慶・半井淡澄の3人で聞香は開始された。瑠璃姫から課された想像以上の難題に翻弄される男たち。しかし、それぞれが回答を決し、結果を待つ間に惨劇がおこる。実尊寺の遺体は血の海に横たわっていた。さらに、聞香の主催者瑠璃姫までが死体となって発見される。しかし、男たちは花嫁となるべき瑠璃姫が死んだにもかかわらず、聞香を続行しようと試みる。その裏には、笛小路家に宝として伝わる香木を巡る男たちの執念があった・・・。

コメント この「鵺(ぬえ)」を昨年TVで放映されたのを偶然観たのですが、和紙の風合いのタッチが、「鵺(ぬえ)」の時代設定や香道での組香の雰囲気に合っていて印象的でした。 特に香を嗅ぐシーン(聞香)で、人物が最初はモノトーンな感じで描かれていますが、いざ香を嗅ぐと場面全体が色彩を帯びるのです(図4)。「うーんこんな香りの表現があったか。」とうなってしまいました。 また聞香のシーンで、バックの屏風に描かれた牛なども、ちょうど香りを嗅いでいるような構図で、心憎い演出です(図5)。 ストーリーの最後のほうで、なぜ人物(シーン全体もそうでしたが)がモノトーンで描かれていたかが解ります。

怪異譚という非現実的な世界ですが、こうした物語では、香りは想像力のイメージそのものとなるようです。山田由紀人氏は、『香りと死の海ー「失われた時の海」』(文化誌のG.ガルシア=マルケスを参照)のなかで、「匂いによって、私たちは眼に見えぬもの、肌で触れえぬものの存在を予感し、そうした空気のなかでより深く自分自身の内密さを知覚する。」 中略 「香りは生と死を媒介する想像力のイメージなのである。」と述べています。

ストーリーの中に漂う沈香の香りと、謎の男薬売りの「皆様の真と理を、お聞かせ願いたく候。」という台詞が響き合います。 このような香りの映像表現は、やはり「香道」という香りのアートを生み出した日本人の感性でなければ生まれない作品ではないでしょうか。特に香り好きの人には必見の作品です。

・監督 中村健治
・脚本 小中千昭
・キャラクターデザイン
・総作画監督  橋本敦史

問い合わせ先
販売元:角川エンタテインメント
TEL:03-5413-4380






















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